【サイコロ相談室】第七話 なんかピンとこない。

友人に誘われて参加したあるパーティーで知り合った男性から交際を申し込まれました。悪い印象の人ではありませんでしたから、何度か食事したり、映画に行ったりしました。でも何かピンとこないのです。どこがどうという訳ではないのですが…。大手勤務でまじめで優しそうな男性で、私にはもったいないほどの人だとは思うし、友人も「結婚するならあんな男がベストよ」と言っています。でもやっぱり何かが違うのです。何が不満なの?と聞かれても、実際私にもわからないのです。 このまま交際を続けていいものか悩んでいます。簡単な、男性の見極め方などがあれば教えてください。(ケイコ)

ファースト・インプレッションで男を判断してはいけない。

ハッキリ言っとくけど、男の99%以上が、身勝手で虫のいい、ただのスケべでちょっといい女を見れば「一夜だけでも、お付き合いいただけないものか」などと淫らな想像をはりめぐらしたりする。それが男であって、バ力がいくらカッコつけても、そういう基本的な構成要素に大差はないのだ。だから男はみんな浮気する、と女が考えるのは誤りで、それは自制心の問題だ。数学でもビリヤードでも異性との付き合い方でも、基本をマスターすれば、後は状況に対しての応用カということになる。そういう基本的な真実を踏まえずに多くの女性の男性に対する認識が甘いから、つまらんトラブルで簡単に別れてしまうのだ。いや、これはまったく男にも言えることだが…。 そこのあなた、「私の彼に限ってそんなふしだらなことは…」やはりあるのだ。

男に関する最低限の予備知識はこれくらいにして、君の悩みの核心である。ピンとこない現象を分析すると、要するにインバクトの問題なのだ。異性にアプローチする初期段階において、どこまで強い印象を与えるかが運命の分かれ道になる。自分のイメージを相手に刷り込むことに成功すれば、もういただいたも同然で日常生活のあらゆる場面において、ちょっとしたことがきっかけで回路がつながり、男のイメー ジが意識の表層に現れる機会が頻繁になる。そこにタイミングよく誘いの電話やプレゼントでプッシュできれば、 恋愛感情まで熟成するのは時間の問題。 ファッション、会話の内容、マナー、立振舞などによってイメージは決定するが、その男性の場合、すべてが平均点クラスで、逆に稀薄な印象しか残せない結果になったわけだ。

例えば黒のタッセルにホワイトソックスを合わせるようなセンスの男でも、圧倒的な会話のおもしろさがあれば、強烈な刷り込みは可能だし、逆にそのホワイトソックスが代表するようなマイナスのイメージでも結果的に強いインパクトを植え付けたりする。ところが、実際にそんなイメージは虚像であること多く、 短い時間で相手を見極めたりすることは、不可能なことだ。最初は誰だってフルパワーで良い印象を与えようと頑 張るから、すっかり編されるケースが多いのだ。最初にピンとこなくても、 そのうちに本質が見えて来るだろうし、それから判断しても決して遅くはない。 ファースト・インプレッションは男を判定する基準にはならないが、いまだに結婚詐欺にひっかかる女性がいるのは、やはり『第一印象』は大きいということだ。

当たり前のことだが「男の簡単な見極め方」など、ない。でも、なんとなく 波長が合って、好きになれそうな人っでいるだろ。セックスの相性を含めて自然に波長が合うのは、好きになれる証拠であり、短波ラジオ放送に同調させるように、デリケートな作業で相手の男に無理に同調させても、電離層の状態が変化すればすぐに、ピーピーガーガー言い出して「もういいや」ということになるから、やはりFM放送のような男を選ぶことが大事である。 (H)