【サイコロ相談室】第三話 ショックわたしって品のない女?

編集部の皆さん、こんにちは。わたしの怒りを聞いてください。実は先日会社の同僚の男性と、あることが原因で口喧嘩になりました。わたしがボーナスや給料のほとんどを洋服などのファッションに使ってしまうのが気に入らないようで、なんだかんだ文句を言ったあげく最後には 「君のライフスタイルには品がない!」と言うのです。たしかにわたしはプランド志向ですが、別に自分のお金で好きなこ とをやっているからいいでしょ、って感じです。
ライフスタイルに品がない、という意味がわたしにはよくわかりません。 彼に聞いても、自分で考えろと言って答えません。そんなことを言われたのはもちろんはじめてで、ほんとにショックをうけました。「品がない」という言葉の意味を教えてください。(は)

ちまたは品のない人々であふれている。

この号が皆さんの手元に届くのは、クリスマス直前の一年でもっとも飾り立てられた季節で、例によって天神の街も派手なツリーとデコレーションであふれている頃だろうが、今現在のオレは、秋はやっばり読書の秋な訳で、再びジェフリー・ アーチャーにハマっている。世界的なベストセラー作家なので知らない人はあまりいないだろうが、もしいたら今すぐ本屋に直行してどれでもいいから一冊買って読め。彼の作品はすべて例外なく、一気に読めるやめられない止まらない面白さがあるが、あえでどれかーつ選べと問われれば、初期の代表作『ケインとアベル』を勧める。まだオレがその余韻に浸っている「チェルシーテラスへの道」もなかなかだ。短編が好きな人は「十二本の毒矢」「十二の意外な結末』『十二枚のだまし絵」があるが、どれも斬新なアイデアとストーリーで、思わず「うまいー」 と言いたくなる。

そんなわけで、かなりスペースを稼いだところで本題に入ることにしよう。品がない女性は最悪である。 生れの良さとか、学歴はその人の『品』とは関係ない。ブランド志向イコール「品がない」理由にもならない。「品の良さ」 は余分な飾りを省いて、無駄のない機能美を備えた物や、しっかり自分自身のアイデンティティーを確立し、流行に囚われず、洗練されたシンプルなスタイルを 持った人間だけが醸し出す空気である。
例えば、ただ安いから、と言う理由で海外にフランド品を買い漁りに行くOLたちも、女を買いに行くオトウサンたちも、 オレから見れば同類項で、品のない人間の代表的なパターンである。自分の買った品物、または女に対して敬意を表していない部分で共通している。 ある知り合いの女性がバカ高そうな工ルメスのハンドバックを持っていた。聞くと、叔母さんから譲り受けたという。バックを大切そうに持っている彼女に、叔母さんに対する敬意を感じた。そういうのがいいんだ。祖父から貰った年代物のヴィトンのスーツケース、親父から貰っ たモン・フランの万年筆、叔父さんからせしめたダンヒルのライター。元オーナーへの敬意は品物への愛着にかわる。

十数年後、また同じ物を今度は自分のお金で買う。一流品は、そんなシチュエーションがあってこそ際立ってくるのである。 お金があるから買いました、雑誌でスーパーモデルが着ていたので買いました、 じゃー話しにならないのだ。とにかく、ライフスタイルに品がない、と言われたからには君自身よく考えなきゃいけないだろう。そういうセリフは日頃から思ってないと、とっさにロに出るものではないからな。もう書くことがない。寝不足で頭が回っていないのだ。

最後に『品のない人々達」を幾つか挙げて終りにしよう。何事も損得勘定でしか動かないやつ、人の陰口ばかり言うやつ、歩きながら携帯で大声で喋るやつ、バスや電車で立っている人がいるのに詰めないやつ、パチンコ 店で隣の台がリーチするたびに覗きこむやつ、ナイキのエアーをはいたガキ、 足の太さをごまかすぶかぶかのブーツをはいた女、煙草の火をちゃんと消さないオヤジ、「赤ちゃんが乗っています」というステッカーを車の後ろに貼っている女性ドライバー、美人とすれちがった時の香水の匂いで思わずムラムラしてしまうわたし。不倫をするすべての人、セックスの時さっさと先にイク男、感じていないのに大袈裟な声をあげる女。まだあるけど疲れたので、以上。(H)

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