【サイコロ相談室】第二話 私たちは信頼しあった理想的関係です。

先月のサイコロ相談の内容について一言。その部分とは「男と女は所詮、信用するとか、しないといった部分で関係しているわけじゃない…全面的に相手を信頼しあっている男女などちっともツマランウンヌン」といっところです。私事で恐縮ですが、私は今付き合っている彼を信頼していますし、彼も私を信頼してくれていると思います。 もう4年になりますが、とても良い関係が続いています。こんな関係がどうして「ツマラン」のでしょうか?男女の理想的な関係はやはり互いの信頼の上に成り立つものだと思うのです。どうかその辺についてお答えください。 (T)

アイじゃないか、愛。

ところで、オレがちょくちょく顔を出す、ある店のマスターが最近離婚した。 理由を聞くと、いやー、急に俺に対する気持ちが冷めちゃったらしいんだけど、ただそれだけなんだよね」。オレは愕然とした。子供だっているし、本人は何の悪いこともしていないのに「冷めたから別れます」なんて言われた日には、オレだって、ちょっと困る。マスターいわく「自分では理想的な夫婦関係だと思っていた…」。どうだ、まいったか、人の気持ちなんてそんなもんだ。もし君の彼が浮気して、その秘密を知った時、君は「信頼していたのに裏切られた」と、耳タコのフレーズを 咳くだろう。だから最初から全面的に相手を信頼なんかするな、と言ってるだけの話しなのだ。勘違いしてほしくないが、オレは決して猪疑心の強い人間になることを勧めているわけではない。


もともと『心」なんてものは株相場と同様、諸要因に左右されで変動する不確かなシロモノで、簡単に他人の期待を打ち破る構造になってるのだ。 風がふけば葬儀屋が儲かるかどうかは知らないが、美人が通れば男は振り返る。例えば、高騰が見込める企業の株を購入したところ、その企業の子会社が運営するリゾート開発が失敗に終り株価が急落する。この時二者の対応があるが、一者は「信頼して買った企業なのに裏切られた」といってすぐに投げ売る者。もう一者はガマンする者である。もちろんガマンするだけじゃなく、その企業の潜在的なポテンシャルを測り、長期的視野に立って検討する者である。


結局のところ、男と女もこれと同じなのである。「男女の理想的な関係」に『信頼』というキーワードを用いるのなら、それは相手の潜在的ポテンシャルに対する信頼であり、浮気やギャンブルといった一時的、表面的下落状況に対して摘要するものではない。 エルニーニョの影響で穀物相場が変動するように、飲む打つ買うの影響で男の相場も変動するが、大麦の味が変わらないように、その男の持ち味も変わらない。何が言いたいのかまたわからなくなってきたが、ま、そういうことだから、ニュアンスと感性で理解してほしい。


そんな訳で「男女の理想的関係」のキーワードは「信頼』などでは決しでなく、やはりアイじゃないか、愛。 ところでオレはこれまでこのコーナーで、かなり言いたい放題のことを書いてきたように思うが、いい加減なことを書いたことはないつもりである。偏見に満ちている、ひねくれてる、断定的、決めつけすぎ…このような読者の 反発が当然多い訳だが、気にはしないし、オレは自分の経験に乗っ取った考え方により、正直に感じたまま何の構成も脚色もせず、ストレートに書いてきた。よって後で読み返したらわけわからんこともままあるが、その瞬間瞬間を大事にしているので、書き直すことは極カしない。こんなオレの物言いでも、楽しみにしてくれている読者も、少なからずいるらしい。読んでくれて どうもありがとう。 (H)

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